先行して投資を行う場合
まとまった投資を行った後に長期に渡って売り上げを回収していくような業態
小売店のように物を仕入れて販売し売上を回収していくような事業の場合は、出金(仕入)したあとの入金(売上)が長期に渡る事はあまり無いかもしれません。
対して製造業や不動産賃貸業の場合はそうは行きません。製造業ですと製造設備に多額の投資が必要な場合がありますし、不動産賃貸業の場合にはリフォームに先行投資が必要な場合もあります。
こういった場合に手持ちの資金で投資を行おうと考える方もいらっしゃるとは思いますが、あえて借入で行う事も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
手持ちの資金で仮に400万の投資を行った場合
機械を購入することで400万円の資金が支出されることになります。その後その機械を使い顧客に販売し粗利50万円を年間に得たとします。便宜上粗利イコール手元資金のプラスとして下さい。
単純に考えると400万の支出で50万円の粗利ですのでその年は350万円のキャッシュがマイナスになった計算です。毎年50万の粗利を得たと仮定すれば8年でその支出分の回収が終わり、9年目より資金がプラスになっていくイメージとなります。
銀行から400万円を借入れ10年で返済する
機械の購入資金400万円をフルで借り入れたと仮定します。利息もあるので単純に年間返済40万円にはなりませんが、イメージをつかむために便宜上400万円÷10年=40万円とします。
この場合ですと初年度の資金流出は返済額の40万円、粗利は50万円ですので単純計算で10万のキャッシュが残ったこととなります。全額を自己資金で支払った場合と比べると、初年度は360万円の大きな開きがあることになります。
大企業・中小企業などは自己資金も豊富にあり、資金調達の方法にも選択肢がありますが、個人事業主やフリーランス・一人法人などはそれほど選択肢があるわけではありません。一人法人と言えども代表の財布と会社の財布はまだまだイコールと考えられる状態です。
この場合の360万円の開きはかなりの差と言えるかもしれません。
初年度にたくさん支払うけど2年目から50万残るほうが良い!
手元の残りは少ないけど一発の大きい支出は抑えたいよ!
2台3台となるとその差が大変
1台で投資が完了すればどちらを選んでも大差がない状況でも、その投資が2台3台と投資台数が増えていくほど一括支払いのコストがのしかかってくるかもしれません。
いくら自分の資金で運営するほうが安全といえども、これが続けば手元の資金はすぐに底をついてしまいます。そうなる前に一度キャッシュの流れを把握して、資金的に無理が出ないか見直してみてはいかがでしょうか。